家族葬に親戚を招待しないときのマナーと対処法2022年の第5回お葬式に関する全国調査では、「家族葬」が55.7%で最多、次いで「一般葬」25.9%、「直葬・火葬式」11.4%で近親者のみで行う家族葬が主流になっているのが明らかになりました。 コロナ禍下という特殊な事情で家族葬を選んだ方も多かったようですが、パンデミックか落ち着き日常を取り戻した現在においても、家族葬の件数が増えています。 家族葬は、故人と親しかった家族やごく近い関係者のみで行う葬儀の形式です。この小規模な葬儀は、故人との深い絆を大切にし、静かにお別れをする場を提供します。 家族葬に呼ぶ親戚の範囲には、明確な決まりがありません。 しかし、これまで冠婚葬祭のつきあいがあった親戚については、どうしたらいいかと悩む方も多いのではないでしょうか。 今回は、親戚を招かない家族葬の利点、親戚を招待したくない場合の適切な対策、そして問題を避けるための要点について詳しく説明します。 現代の葬儀の主流、家族葬とは?家族葬は、故人と親しかった家族やごく近い関係者のみで行う葬儀の形式です。この小規模な葬儀は、故人とお別れをする場であり、故人を弔う場であります。 家族葬に呼ぶ親戚の範囲家族葬では、故人と生前深いつながりを持っていた家族を中心に行われます。その他にも、故人の兄弟姉妹、そのつながりから甥姪といった生前関わりのあった親戚も参列する場合も多くあります。 家族葬に親戚を呼ばない理由家族葬をする際に、ほとんど交流のない親戚を呼ぶかについて迷う方もいるでしょう。 親戚を呼ばない理由には以下のようなものがあります。
など、葬儀を行う喪主や遺族、葬儀に参列する親戚への配慮の両方から、交流の少ない親戚を葬儀に呼ばないケースが増えています。 家族葬に親戚を呼ばないことのデメリット一方で、家族葬に親戚を呼ばないことのデメリットもあります。ここでは、主なデメリット3つについてご紹介します。 経済的な負担が増加する可能性がある親戚を呼ばない家族葬では、参列者が少ないため香典の額は少なくなります。 葬儀を知らせなかった親族とトラブルになる可能性がある喪主や遺族が「交流がないから」と葬儀を知らせない親戚でも、かつては故人と親しく交流があった場合があります。そうした場合、葬儀後に訃報を知り「なぜ葬儀に呼んでくれなかったのか?」とトラブルになる可能性があります。 近年の交流だけでなく、故人の過去の交流についても考慮する必要があります。 葬儀後の対応が増える可能性があるデメリットの3つめは、葬儀後に弔問客への対応が増える可能性があることです。 ありがたいことではありますが、各人のタイミングで弔問を受ける場合、その都度対応が必要になる可能性もあります。そのたびに、接待し香典返しを用意するなど後日の対応が必要になるため、かえって手間と時間がかかる場合があります。 解説:家族葬に親族を呼ばない場合の対応方法親戚を家族葬に招かないとき、その事を事前に告げるべきか悩む人こともあるでしょう。そのような状況に対応するための方法を2つご提案します。 1.訃報の連絡とともに、参列のお断りを伝える小規模な会場での家族葬が決定している場合には、訃報の連絡をする際に、参列のお断りも伝えるのがおすすめです。 訃報の知らせのみでは、「連絡を受けたからには葬儀に参列したほうがよいのか」と迷う方もいます。 そのため、「葬儀は家族だけで執り行いたい」と参列をお断りする意向をはっきりとお伝えしましょう。 また、お断りを伝えるには角が立たない言い回しを心がけることも大切です。 「故人の願いが家族のみで最後の別れを迎えたいというものでしたので、参列者は子供や孫までとさせていただきます。」 など、故人の遺志として伝えるのもよいでしょう。 もう一点注意したいこととして、参列のお断りを連絡するときに葬儀についての情報を広めないようにお願いしておくことです。 葬儀を終えた後に連絡するもう一つの方法として、葬儀を執り行った後で、相手方に事後報告をする方法もあります。 お相手には故人の訃報を伝えていないため、別の方から知らされない限り、葬儀に参列することはありません。ただし、礼を欠くことになるため、できるだけ避けたい方法です。 日程的に猶予がない場合や、やむを得ない事情があり事後報告とする場合は家族葬が終わってから1~2週間後を目安に訃報と葬儀を終えたことを報告しましょう。 事後報告になったことについて不快感を表す方もいるため「先日、近親者のみで家族葬を済ませました。生前は(故人)が大変お世話になったにも関わらず、このような形でのご連絡となり、申し訳ございません」など、おわびのニュアンスを加えて連絡することをおすすめします。 家族葬に親戚を呼ぶか迷ったときの判断基準ここまで、家族葬に親戚を呼ばない理由やその際の対処法について解説してきました。 交流のない親族を呼ばない決断もしやすいですが、それなりに交流のある親戚の場合にはさらに悩むこととなるでしょう。 ここでは、迷った時の判断基準を2つご紹介します。 故人の遺志を尊重する迷ったときには、故人の遺志に基づいて判断するのがおすすめです。遺言やエンディングノートなどに、葬儀の希望を残していた場合は参列者も故人の遺志を優先しましょう。 故人が生前に、葬儀の際に参列してほしい人、訃報を知らせたい人などを記している場合もあります。 葬儀会場の規模(人数)で決める2つ目は、葬儀会場の規模(人数)を判断基準にする方法です。 家族葬は収容人数が10~30名程度の小規模な会場が一般的です。会場の規模に合わせて、参列者のリストを作成していくと、葬儀に呼ぶ親戚、呼ばない親戚の優先順位付けがしやすくなります。 また家族葬の会場の規模を理由として、参列をお断りする旨の連絡がしやすくなるのもメリットです。 ここでは、参考までに会場の収容人数と呼ぶ人の範囲をまとめました。 家族葬に参列いただく方の選択に迷った場合の参考にしてください。
迷ったら葬儀社に相談を家族葬は、規模や参列者数に基準がありません。故人の家族以外には、近しい親族や友人を喪主の判断で呼ぶのが一般的です。 かつての葬儀といえば、遠縁の親戚でも参列するのがふつうでしたが、近年では交流が薄くなり葬儀にお呼びするか迷うこともあるでしょう。 親戚を呼ぶか迷った場合は、葬儀の会場の規模(人数)を先に決め、故人の関係者から順番に呼ぶとよいでしょう。また、故人が葬儀について遺言などを残している場合は、故人の遺志に基づいて参列者を決定してください。 家族葬は、近しい親族だけでゆっくりとお別れできる反面、香典が減り葬儀費用の負担が大きくなることや、親戚間のトラブルに発展する可能性があります。 対応に迷った場合は、葬儀のプロである葬儀社の担当者にご相談ください。 |
お役立ち情報