告別式の前に行う通夜の後には、これまで「通夜振る舞い」として食事の席を設けるのが一般的でした。
しかし、ご存知の通り近年はコロナウイルスの流行し、感染防止予防のために3密(密閉、密集、密接)を避けるために通夜振る舞いを執り行わないご葬儀が増えています。
今回は、通夜振る舞いにおける喪主の心得とコロナ禍での対応についてご紹介します。
通夜振る舞いを行う意味
本来の通夜は、文字通り「夜を通して」故人に付き添うものでした。通夜の晩はろうそくと線香の火を絶やさないようにして、故人に付き添います。遺族・親族だけでなく、近所の人や親しい人が入れ替わり付き添うので、通夜振る舞いも一晩中続くものでした。
しかし、自宅やお寺ではなく会館葬が増えたことや、長時間持続するろうそくや線香の普及もあり、遺族が寝ずの番をすることも少なくなりました。
そのため、夕刻に1~2時間程度の短い時間で通夜と通夜振る舞いが行われるのが一般的となっていました。
通夜振る舞いを執り行う意味は2つあります。
ひとつは「喪主が僧侶や通夜の参列者を食事やお酒でもてなし、感謝の意を伝えること」、ふたつめは「在りし日の思い出話をして故人を偲ぶため」です。
とくに、参列者の中には家族が知らなかった故人のエピソードや、故人が家族には見せなかった意外な側面を垣間見れるよい機会となってきました。
通夜振る舞いにおける喪主の役割
開閉のあいさつ
喪主は通夜振る舞いの開会と閉式のあいさつを行います。
あいさつは、参列いただいた方々へ感謝の気持ちをこめて、手短に行いましょう。
あいさつが苦手であったり、心労が大きく負担になる場合は、他の親族が行ってもかまいません。
通夜振る舞いでの喪主のあり方
喪主は参列者一人ひとりに感謝を伝えるために、お酌をしながらあいさつに回ります。
時間が限られていますので、話は手短にしましょう。
通夜当日、喪主は参列者への対応や翌日の葬儀の確認などで多忙になります。
あらかじめ、遺族や親族へ通夜振る舞いの仕切り役を依頼したり、分担する段取りを取っておくとよいでしょう。
通夜振る舞いの食事は大皿料理である場合が多くなります。
そのため、遠慮してなかなか食事に手を伸ばせない方もいます。そういった方には、喪主や仕切り役の方が食事をとり分けて、おすすめするような心配りも必要です。
通夜振る舞いの予算
通夜振る舞いにかかる費用は、料理の内容や参加人数によります。
参加する人数が不確定なのでお膳ではなく取り分けやすい、お寿司やサンドイッチ、オードブルなどを手配するのが一般的です。
一人あたり2,000~3,000円が相場となっていますが、ホテルで立食式とした場合にはやや高く3,000~5,000円程度になる場合があります。
また、僧侶が通夜振る舞いへの参加を辞退した場合は「お膳料」として5,000~10,000円程度を包み、お車代と一緒にお渡しします。
お膳料は無地の水引のない封筒の表に、薄墨で「お膳料」と書きます。こちらも事前に準備しておきましょう。
コロナ禍での通夜振る舞い
親族や参列者が大皿料理を囲み、故人を偲ぶ通夜振る舞い。たくさんの方で、故人を思い出を語り合える場でしたが、昨今の新型コロナウィルスの流行は通夜振る舞いのあり方も変えてしまいました。
故人を偲ぶ機会がなくなるのは寂しいですが、感染防止のため通夜振る舞いの席を設けない代わりに、参列者の方々には折詰やお弁当をお持ち帰りいただくようになっています。
通夜が終了した後に、喪主は通夜振る舞いを行わないこと、お持ち帰りのお弁当を用意していることを参列者にお知らせしましょう。
お渡しする折詰やお弁当は、通夜振る舞いと同じく一人あたり2,000~3,000円が相場になっています。
通夜振る舞いの準備は?
通夜振る舞いの料理や飲み物は、葬儀社や仕出屋に依頼することが多くなります。
会食の場合もお弁当をお持ち帰りいただく場合も、確定している人数より少し多めに準備するのがポイントです。
具体的な数字がわからない場合は、葬儀社へご相談ください。
通夜振る舞いの形式は変わっても大事にしたいこと
ご紹介してきたように、通夜の形式は時代とともに変わってきました。
自宅やお寺での葬儀が多い頃は一晩中、会館葬儀が増えてからは1~2時間程度に、そして新型コロナウィルスの流行後は会食を控えるようになりました。
形式は異なりますが、喪主として僧侶や生前お世話になった参列者の方への感謝の気持ちは今後も大事にしていきたいですね。
仙台典礼では、通夜振る舞いをどうするか、料理やお持ち帰りのお弁当の手配などのご相談を承っております。
このようなご時世でも、故人を偲ぶ気持ちや会葬者への感謝の気持ちが伝わるようなお手伝いを心がけております。
ぜひ、お気軽にご相談ください。