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葬儀での儀式は必要か?儀式がもたらす絆と回復

最近では、シンプルな葬儀が流行しています。以前の葬儀に比べて省略されているにもかかわらず、「まだ省略できる部分はないか?」と考える方も増えています。

この中には、仏教の僧侶による読経、参列者の焼香、キリスト教のミサなど、葬儀の宗教儀式の必要性を問う声も含まれます。

無宗教の葬儀、つまり宗教儀式のない葬儀も存在しますが、遺族によるお別れの言葉や献花なども一種の儀式であることを忘れてはなりません。

そこで今回は、宗教を問わず葬儀での「儀式」の意義について考えてみましょう。

葬儀の儀式は縄文時代から存在した

日本各地の縄文時代の遺跡からは、貝塚や共同墓地が発見されています。

埋葬方法は屈葬や伸展葬など、さまざまな方法がありましたが、この姿勢にはいくつかの理由が考えられています。

たとえば、屈葬では腰や膝を曲げた状態で埋葬されており、この姿勢は死者の霊が生者に危害を加えるのを防ぐ、赤ん坊が母親のお腹の中にいる様子を模して、再び生まれてくることを願っているためともいわれています。

縄文時代の人々は、現代人と同じように、生と死のサイクル、そしてそれに伴う儀式やセレモニーの意義を認識していたと考えられます。1万年以上前から葬儀には儀式が行われており、故人への敬意とコミュニティの結束の意味があったと考えられます。

儀式はなくてもいい?シンプルな葬儀

タイムパフォーマンス、コストパフォーマンスなど常日頃から合理性を求める現代では「葬儀の儀式も省略してもいいのでは?」という声も聞かれます。

葬儀の儀式を省く人々の理由はさまざまです。費用の問題、宗教的な信条が薄い、個人主義の価値観など、多様な動機が存在します。もし、あなたが儀式なしでの葬儀を考えているなら、葬儀社としてその選択を尊重します。

しかし、儀式を省略することを決定する前に一度考えていただきたいことがあります。

儀式は悲しみを共有し、社会とつながる一つの方法です。 もし、儀式を省略した場合、ご自身やご遺族、故人に係る人々にどのように影響を受けるか、事例を通じて考えてみましょう。

儀式が紡ぐ、見えない絆

儀式が紡ぐのは、目に見えない絆です。 宗教的な儀式にせよ、心情的な儀式にせよ、それぞれに深い意味が込められています。

あなたがこれまでに出席した葬儀を思い出してみてください。 儀式は単に故人を送る手段に過ぎないと思われがちですが、儀式を通して参列者の結束感を形成されるのを感じたことはないでしょうか?

共に悲しむことで、故人との思い出を共有することは、大きな喪失感を乗り越える助けとなります。

儀式を省くと、何が失われる?

葬儀社の立場からすると、葬儀における儀式を省略することを止めることはありません。

しかし、儀式を省いた葬儀が遺族にもたらす影響は、時として大きなものであることも理解しています。

儀式を省くことで、「薄情だ」「故人への敬意がないのか」など社会的な非難や誤解を招いてしまい、予想外の精神的な重圧を受ける場合があります。「ふつうの葬儀をしておけばよかった」と後悔する方もいらっしゃいました。

また、儀式は「区切り」でもあります。 最後のお別れの儀式がなかったことで、心の区切りがつかず、悲しみが長引いているようだと言う遺族がいたという方もいらっしゃいました。

遺族・参列者と一緒に儀式を行わないことで、大切な人を喪った悲しみの共感と共有の機会が失われるのです。儀式の省略は、遺族や故人と関わりのあった人々の感情的な回復を遅らせる可能性があることも考慮しなければなりません。

儀式は人生のセーブポイント

葬儀の儀式に関わらず、私たちは人生の節目でさまざまな儀式を行ってきました。

お宮参りから始まり、七五三、成人式、結婚式などがあります。入学式や卒業式も広い意味では儀式と言えるでしょう。生活の中にも儀式はあり、初日の出を見る、お正月に新年の抱負を立てることも儀式のひとつです。

儀式は単なる形式や記念でなく、人生の節目に立ち、自分自身を見つめ直す機会でもあると考えられます。また、儀式で立てた新しい目標や得た学びは、いつか過去を振り返った際に初心に返るきっかけも与えてくれます。つまり、儀式は人生の転機ごとにあり、過去と未来をつなぐ大切な役割 があるともいえます。人生に迷った時や、悩んだ時に立ち返るためのセーブポイントと言えるのではないでしょうか。

だからこそ、葬儀の儀式があなたにとって、どのような意味を持つのか、故人との関係をどのように称えたいのか、ゆっくりと時間をかけて考えていただきたいのです。

儀式は終わりではなく、新たな始まりの象徴です。故人との最後の対話として、そしてあなた自身の新しい一歩として、儀式の価値を見つめ直してみませんか?

まとめ

今回は、葬儀における儀式の意味について考えてきました。 葬儀とそれに伴う儀式は、一人の人生を慈しむとともに、残された私たちが人生を見つめ直す機会を提供してくれます。儀式に集った人々との悲しみの共有と共感、一人ひとりが故人との思い出を心の中に刻み、新たなスタートを切る勇気をもらう場でもあります。

儀式は形式に過ぎないと感じるかもしれませんが、実はそこには大切な人との絆を再確認し、コミュニティとの結びつきを強める、見えない力が働いているのです。

葬儀における儀式を省略することは、合理的に思えるかもしれません。しかし、葬儀の儀式があなたにとって、どのような意味を持つのか、故人との関係をどのように称えたいのか、ゆっくりと時間をかけて考えてみることが大切です。

仙台典礼では、スタンダードな葬儀から、型にはまらないお別れの儀式のご提案まで幅広く対応しています。納得できる葬儀をご希望なら、仙台典礼にご相談ください。