ここ数年で浸透した「家族葬」と葬儀の形式。
家族だけで小規模で執り行う葬儀の件数が増え続けてきています。
しかし、ごく親しい間柄を除き親族以外は参加することがないので「家族葬」に参列した経験がない方も多いのではないでしょうか。
今回のコラムでは、今後も増加が予想される家族葬の特徴や家族葬を執り行う際の注意点についてご紹介してまいります。
家族葬が増加したのは1990年代以降
かつては日本では自宅で葬儀を行うのが一般的でした。
高度成長期にマンションやアパートに住む人が増えるにつれ、葬儀は自宅から斎場や会館へと移り変わっていきました。
当時は多くの参列者に見送られる盛大な葬儀が好まれ、多額の葬儀費用をかけることもままありました。
しかし、1990年代以降の景気の低迷や高齢化など社会情勢に変化が現れると、一般葬儀の費用は縮小し参列者も減少傾向に。
大きな斎場で行う一般葬から、静かに故人を見送ることができる小規模な葬儀の需要が高まりました。
近年では新型コロナウイルス感染症の影響もあり、家族葬儀を選ぶ方が増えてきており2020年以降は執り行われる葬儀の約半数が家族葬というデータもあります。
家族葬の特徴
家族葬は、その名の通り家族や親族を中心とした近しい方たちだけで見送る形式の葬儀です。
家族・親族だけではなく、生前とくに親しかった友人・知人も参列することはありますが、ごく小規模な葬儀となります。
葬儀の流れは一般葬と変わりはありませんが、弔問客の応対に気を配る必要がないので、静かに故人とのお別れの時間を過ごすことができます。
家族葬にかかる時間は通夜が40分程度、告別式が40~50分程度が一般的です。
家族葬が選ばれている理由
全体の約半数が家族葬となった今、どんな理由で家族葬が選ばれているのでしょうか?
故人との最後のお別れの時間を大切にしたい
通常の葬儀では、たくさんの一般参列者に対し遺族として心を配らなくてはなりません。
当日だけではなく、葬儀の手配や案内などゆっくりと故人との別れを偲ぶ余裕が時間的にも精神的にも持てないのが実情です。
家族や親族、ごく親しい方々だけで見送る家族葬であれば必要以上に気を遣うこともなく、故人とのお別れの時間をゆっくり過ごせます。
遺族・参列者への配慮
故人が高齢の場合、その配偶者や兄弟その他のご親族も高齢の方が多くなります。また、長期療養の末に亡くなられた際には、看病や介護による遺族の疲労も考えられます。
参列者や遺族の精神的・身体的負担への配慮として、近しい方のみで行う家族葬を選ぶこともあります。
故人の意志を尊重
ご本人の生前の希望により家族葬を選ぶことも。故人が生前に指定していた葬儀への参列者リストや引き出物、会場のBGMなど細やかな希望をかなえることもできます。
遺される家族を思い負担の少ない家族葬を希望する方と、その意志を尊重される家族が増えているのでしょう。
家族葬を執り行う際の注意点
「家族葬は一般葬より費用が割安」というイメージがあります。
参列者が少ないため、小さな会場やコンパクトな祭壇、返礼品の数が少ないなど一般葬より割安に思えます。
しかし、葬儀の内容は一般葬儀とほぼ同じ。
一方で、参列者が少ないため香典収入が少なくなります。
葬儀費用は香典によって賄われる部分も多くあるため、葬儀費用の持ち出しの割合が増える場合もあります。
近頃では割安の「家族葬プラン」をうたう葬儀社も増えています。
しかし、基本料金は安くても本来必要なものがプランに含まれていない、時間帯によって料金が加算される、オプションが多く合計金額が跳ね上がるなどのケースが少なくありません。
家族葬を執り行うと決めた場合は、価格だけでは選ばず必ず内訳を確認することが大切です。
まとめ
葬儀は大切な方とのお別れの儀式です。家族葬は家族や親しい方だけで故人をお見送りできます。
「葬儀はこうあるべき」という固定観念に縛られる必要はありません。
ご家族が納得できる葬儀ができることが最も重要です。
そのためには、故人と遺族の気持ちに寄り添う葬儀内容やサービスを提供してくれる葬儀社を選ぶことが大切です。
ひとことに「家族葬プラン」と言っても、内容は葬儀会社ごとに異なります。
ご契約前に、費用と内訳を確認し、可能であれば2社以上の見積を比較してみるのもおすすめです。
仙台典礼の「家族葬プラン」は、他社では「オプション」として別途費用が発生するものもプランに含んでのご提案をしています。
電話やメールでのご相談も承っておりますので、お気軽にご相談ください。