葬儀後の遺骨供養のさまざまな方法を紹介葬儀を終えた後、遺骨の扱い方に不安を感じる方は少なくありません。 遺骨の供養は、ご遺族や故人の意思を尊重しながら進めることが大切です。今回の記事では、遺骨の保管や供養の方法を詳しく解説いたします。 葬儀後のお骨のご供養について不安がある方は最後までお読みください。 遺骨と遺灰の違いは?火葬の過程で、棺内は約1,000℃の高温になるため、多くの骨は自然と灰化します。形状を保っていない状態を「遺灰」、骨の形を保持しているものを「遺骨」と区別しています。 遺骨は遺族や親しい方が箸で拾い、骨壺に移されたあと供養されます。 また、近年では散骨や自宅供養、手元供養などの高まりから、遺灰での受け取りを希望する方も増えています。遺灰の一部を手元で保管し、残りを納骨や散骨するといった分骨での供養をするケースもあります。 ※ご遺骨のすべてを火葬場で遺灰にすることはできません。散骨する場合には、専門業者に依頼が必要です。 遺骨の扱いは法律で決められている遺骨や遺灰の取り扱いについては、「墓地、埋葬等に関する法律」で規定されています。この法律では、遺骨を埋葬する際のルールを定めており、各市区町村の発行する埋葬許可証がない場合、遺骨を埋葬することは法律で禁止されています。 この法律は主に、埋葬許可証がないまま遺骨や遺灰を埋葬した場合の取り締まりを目的としており、自宅供養や手元供養といった形式の供養には直接関係しないものとされています。そのため、自宅での手元供養や安置については、法律違反に問われることはありません。 「火葬後のお骨は必ず埋葬しなければいけませんか?」というご質問には、「埋葬は義務付けられていません。ただし、埋葬許可証なしに遺骨や遺灰を埋葬・散骨することは違法です」とお答えしています。 ご遺骨を分骨される際は、将来の埋葬を見据えて、火葬場で「分骨証明書」を発行してもらうことをおすすめします。この証明書は、後の埋葬手続きに必要となる重要な書類です。 (法令検索:厚生労働省『墓地、埋葬等に関する法律』) 遺骨供養のさまざまな方法遺骨のご供養はお墓や納骨堂に埋葬や安置するのが一般的でしたが、近年ではライフスタイルの多様化により、新しい供養の形が注目されています。 「お墓が遠くて管理が難しい」 「後継ぎがいない」 「宗教や宗派にこだわりたくない」など、さまざまな理由でお墓以外の供養方法を選ぶ人も増えています。 ここでは、代表的な遺骨供養の方法をご紹介します。 それぞれの特徴と注意すべき点に注目してご覧ください お墓や納骨堂に納骨する最も一般的な供養方法は、菩提寺や墓地、納骨堂に遺骨を納める方法です。代々家族が管理してきたお墓に納骨することで、家族の絆を大切にする意味合いがあります。 一方で、お墓の維持が難しい場合には「永代供養墓」を利用する選択肢もあります。永代供養墓では、寺院や墓地の運営者が遺族に代わり遺骨を管理し、合同で供養を行います。個別のお墓を持つ必要がないため、管理負担が軽減されます。 いずれの場合も、納骨の際には埋葬許可証が必要です。手続きの準備を忘れずに進めましょう。 遺骨を自宅で供養する四十九日を過ぎると、一般的にはお墓やお寺へ納骨することが多いですが、納骨をせずに自宅で供養する方もいます。法律では、遺骨を自宅で保管することに対して特に制限は設けられていません。 自宅で遺骨を保管することを「手元供養」と呼びます。遺骨をそばに置いておくことで、故人の存在を身近に感じていたいというご遺族が選ぶ傾向にあります。近年ではリビングに置いても違和感のない専用の骨壷やおしゃれなデザインの供養棚も登場しています。 自宅供養は、手軽でありながら、故人を大切に思う気持ちを込められる方法と言えるでしょう。 自然に還す「散骨」散骨は、遺骨を粉末状にして自然に撒く供養方法です。故人が自然を愛していた場合や、従来のお墓を持たずにシンプルな供養を希望していた場合に選ばれます。海や山、川などが散骨の場所として人気があります。 ただし、地域によっては条例などで散骨が規制されている場合もあるため、事前に確認が必要です。また、私有地で散骨を行う際には土地所有者の許可が必要となります。 散骨を行う際には、専門業者のサポートを受けると安心です。 遺骨の扱いは故人や遺族の意志を尊重してこのように、遺骨の供養の方法は意外と自由度が高いものとなっています。 昭和の大スター石原裕次郎さんは、横浜市鶴見の總持寺での葬儀が有名ですが、その遺骨は以下のようなさまざまなかたちで供養されました。
大切なのは、故人をしのぶ気持ちと、遺族が安心して供養できる方法を選ぶことです。それぞれの供養方法の特長を理解し、故人らしい送り方を検討してみてはいかがでしょうか。 まとめ遺骨の供養は、故人の意思やご遺族の希望を尊重しながら、多様な方法から選択できる時代になりました。お墓に納骨するという伝統的な方法だけでなく、散骨や手元供養といった新しい形の供養も注目されるようになっています。 大切なのは、故人への思いを大切にしながら、ご家族が心穏やかに供養を行える方法を選ぶことです。選択肢が多い分、迷われることもあるかもしれませんが、それぞれの方法の特徴や注意点を理解することで、最適な供養の形が見えてくるでしょう。 葬儀後の遺骨の扱いについて不安がある場合は、ぜひ専門家に相談してください。仙台典礼では、ご葬儀だけでなく、その後のご供養に関するご相談もお受けしております。 ぜひ、お気軽にご利用ください。 |
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