自由?むずかしい?無宗教形式の葬儀の注意点「私は無宗教です」 という理由で、無宗教形式の葬儀を希望する方が増えています。 無宗教の葬儀は、宗教にとらわれず自由なかたちで見送ることができます。 一方で、ご家族やご親族に無宗教の葬儀に対する理解を求める必要があったり、無宗教形式の葬儀に慣れている葬儀社も多くないため「自由であるがゆえにむずかしい」という一面も。 今回は、無宗教形式の葬儀をご検討中の方に知っておいていただきたい、メリット・デメリットについてご紹介します。 無宗教形式の葬儀を希望する理由葬儀についてのアンケートから無宗教での葬儀を希望する理由を抜粋してみると、こんな回答が多くありました。
改めて見てみると「特定の宗教を信仰していないから」という理由だけでなく、家族間の宗教観のちがいや生前のご本人の希望により無宗教形式の葬儀を希望しているなど、理由はさまざまであることがわかります。 自由度が高く費用も抑えられる無宗教形式の葬儀ではありますが、希望する人が多い割に葬儀全体を占める割合はさほど高くはありません。 じつは、無宗教形式の葬儀はその自由さが葬儀を執り行う際のハードルになることがあるのです。 無宗教形式の葬儀の注意点無宗教での葬儀は、宗教色の伴わない葬儀の形式です。 宗教者による進行がなく、葬儀の時間を自由に使えるという特徴があります。 都市部では一般化しつつある無宗教の葬儀でも、お寺とのつながりが強い地域の方や、高齢のご親戚などがいる場合には「葬儀にお経がない」ことに違和感を持つ方がいるかもしれません。 一般の家族葬における無宗教形式のお葬儀では、開式のことば→黙祷(1分)→献花→弔電拝読→お別れのことば→喪主挨拶→閉式のことば、といった流れになります。(故人の生前の写真や動画を観ることもあるようです) 無宗教での葬儀では宗教者による進行がなく宗教的な儀式もないため、非常にシンプルな形となります。参列者が少人数の場合には、正味5~10分程度で終わってしまうこともあります。 また、無宗教形式の葬儀を選んだ理由が故人の生前の意思だったとしても、どれだけご本人が準備できていたのかによっても遺族の負担の大きさが変わってきます。 例えば、故人が音楽関係の方で生演奏で送りたいという場合には、それに対応できる式場で行う必要があります。式場については葬儀社に提案してもらう事ができますが、演奏者が故人のお仲間などの場合には、その調整などはご家族が行う事になり、葬儀の準備が慌ただしくなることが予想されます。
先にも「希望する人が多い割に葬儀全体を占める割合はさほど高くはありません」と述べていますが、ご相談の段階では無宗教の葬儀を希望される方は多くいらっしゃいます。 しかし、葬儀のご相談のやりとりの中で親族間で話し合いや、ご家族から「やはりお経がないと成仏できないような気がして…」などの理由から仏式の葬儀に変更される方は少なくありません。 故人が生前に葬儀の進行や準備をしっかり行っていた場合を別として、明確な理由がないままに無宗教形式の葬儀を行った場合、後になりシンプル過ぎる葬儀に対して「この形式でよかったのだろうか」「もっと手厚く見送りたかった」と後悔してしまうケースもあるようです。 故人やご家族、ご親族の考え方や環境を鑑みてどの葬儀のかたちがよいかを判断いただければよいでしょう。 宗教へのこだわりがないなら仏式の葬儀をおすすめ無宗教の葬儀は自由度が高い反面、通常の葬儀以上に準備や手配などの負担があることを述べてきました。 無宗教の葬儀を望む場合は、事前にご本人とご家族の意思疎通や準備が大切になってきます。 一方で、準備ができていないまま無宗教の葬儀を執り行うと、式の流れや内容に満足できない場合があるので注意が必要です。 もしも、 という消去法的な理由で無宗教の葬儀をご検討されている場合には、仏教形式の葬儀をおすすめしています。 なぜ仏教形式をおすすめするかといいますと、数百年に渡り日本では仏教が一手に葬儀を引き受けてきたと歴史があり、日本人の死生観と仏教的葬儀儀礼についてはもっともなじみがあるからです。 仏教形式の葬儀は、葬儀社に依頼いただければお寺や僧侶を手配し、伝統的な形式にのっとった葬儀をつつがなく執り行うことが可能です。 事前の手配から当日の式の進行もお任せいただけるので、喪主様や遺族の方の負担を最小限に抑えられます。 信仰している宗教の有無にかかわらず、人生の締めくくりの儀式として形式を整えるという意味でも僧侶をよんで行う仏教形式の葬儀をおすすめします。 無宗教の葬儀は自由ゆえにむずかしい無宗教の葬儀は「自由葬」とも呼ばれるように、特定の形式はありません。 形式がないということは、ご遺族が主体となって形式を一から作らなくてはいけないということでもあります。 |
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