ドライアイスの使用に注意！葬儀で気をつけること 消費者庁と国民生活センターは、今月21日に遺体の保冷目的で使われるドライアイスが気化した二酸化炭素を吸い込んで中毒死したと疑われる事故が2010年以降、少なくとも3件あったと発表しました。 この痛ましい3件の事故のうち、１件が宮城県で発生したものです。 今回はこのような事故を防ぐためにも、葬儀に使用するドライアイスの危険性と事故防止について解説していきます。 葬儀でのドライアイス使用と事故の背景この事故について消費者庁と国民生活センターが詳しく調査したところ、犠牲になった方はいずれも棺のすぐそばで意識不明の状態で発見されたという共通点がありました。棺の中には、ご遺体の腐敗を防ぐためにドライアイスを入れています。  「二酸化炭素中毒」見えない・感じない怖さ二酸化炭素は通常は無害なガスですが、濃度が上昇すると健康リスクが増加します。とくに、空気中の濃度が3％以上になるとめまいや頭痛を引き起こし、5％では呼吸困難のリスクが高まります。二酸化炭素の濃度が30％にも達した場合、すぐに意識がなくなるともいわれています。無色・無臭のため、濃度が高くても気づくのが難しいため、「最期だから」と棺の中をのぞきこんだ瞬間に意識を失うこともありうることです。 消費者庁の調査によれば、使用するドライアイスの量によって変わりますが棺内の二酸化炭素濃度は最大90％まで上がる場合があるという結果が出ています。 高濃度の二酸化炭素を長時間吸い込むと、後遺症のリスクもあります。二酸化炭素中毒の後遺症としては、脳への酸素供給が低下することによる神経細胞の損傷が、刻障害や頭痛、めまいが持続することが知られています。
 ドライアイスの役割と利点先にもご説明したとおり、ご遺体の腐敗を防ぐためにドライアイスを使用します。氷は解けると水分となってしまいますが、ドライアイスは気化するためご遺体や棺の中が濡れません。
「元気だったころの姿で」
葬儀中にあってはならない事故を防ぐため、安全にお別れいただけるよう努めております。  安全なドライアイスの取り扱いと注意点現代の葬儀では、ドライアイスはなくてはならないものとなっています。しかし、その使用には十分な知識と注意が必要です。ここで、ドライアイスを使用する際の注意点を改めて確認しておきましょう。 ドライアイスには直接触れないマイナス78.5℃のドライアイスは、じかに触ると凍傷を起こしてしまいます。触れる際には、必ず軍手などを使用しましょう。 室温は保ちつつ換気も忘れないドライアイスを使用する際には、室温を低く設定します。しかし、時間の経過とともに気化するため、十分な換気も忘れないようにしましょう。 換気の悪い場所では棺の側で眠らないドライアイスが気化すると、空気よりも比重が重いため、低い位置で留まります。そのような中で横たわっていたり、眠ってしまった場合は換気をしていても二酸化炭素中毒の恐れがあります。 仙台典礼では、ドライアイスを使用する際の安全対策や室内の換気を行い、併せてご遺族のみなさまへの注意喚起を行っております。悲しい事故を起こさないためにも、お一人おひとりの注意や周囲の方への呼びかけなどをしながら、安全な使用を続けてまいります。ドライアイスのご使用に不安を感じる場合には、お気軽にご相談ください。 |
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